この記事タイトルを付けたいがために、1か月も前の記事を探し出したのは内緒だぞw
ソース:
A Critical Look At ETNs: Iceberg Dead Ahead (Seeking Alpha)
著者: Reel Ken
この10年にわたって、多くの複雑な金融商品を個人投資家が利用できるようになりました。これは情弱により大きな柔軟性をもたらす良いことだと考える向きが多いのですが、これらの製品を完全に把握するための深い知識を情弱が身に着ける必要になる迷惑なことだと考える向きも多いです。
私 (の立場) はその中間で、これらの製品 (ETF やオプションなど) の多くが良いモノで、一部 (逆レバ型 ETF や ETN など) は平均的あるいはたぶん平均以上の投資家には複雑過ぎだと見ています。
私は ETN は表面上は正攻法に見えるが実は相当問題のあるものだと思います。私は、これらの問題の詳しい分析を書き出したところ、それは記事というよりは教科書のようなものになりました。それで、この記事のために、簡略化して考察することにします。
まず、コモディティ、通貨、そしてボラティリティといった (プロの) 投資業界以外では取り組まれなかった特定の市場へのアクセスが ETN によって提供されていることを言わせてください。ETN はトラッキングエラーなしでインデックスに直接連動します。この正確性のレベルは「微調整を行うもの」にとって重要になります。これらは経験を積んだ投資家、必要なスキルを持っている人、そして ETN の構造の知識を持つのにふさわしい人にとって大切だと思います。
その一方で、ほとんどの平均から平均以上の投資家は、ETN のすべてを本当にはわかっていないのです。この記事はそのような人たちに向けたものです。
次のような特徴がある投資を私が提供したとしたら、あなたは乗りますか?
1) あなたが私にお金を貸します。
2) 私はあなたのお金を、私が好きな時に好きなだけ使える私の銀行口座に預金します。もちろん、あなたのお金は私の債権者の支配下にあり、私は破産する可能性があります。
3) 私は、あなたが選んだインデックス (ダウ、S&P、MSCI など) のパフォーマンス次第で変動し、10年であなたにお金を返すことを同意した約束手形を渡します。
4) あなたがあなたのお金をそれよりも早く欲した場合は、あなたが約束手形を第3者に売ることができるという提案をします。
5) 私は、保有しているあなたのお金に対してあなたから手数料 (年約1%) をいただきます。
もし、あなたがこの「投資」に乗るつもりなら、これ以上読む必要はありません。ETN で悩むことはありません。その一方で、このような投資が怖いのなら、もう少し ETN を詳しく調べる必要があります。
ETN の N は Note を表します。これは、主催者へのローンであることを意味します。あなたが「投資」したお金は株式 (の購入) に割り当てられることはなく、(ミューチュアルファンドや ETF と違って) 個別の口座で保管されることもありません。主催者は、投資をヘッジするために単にさまざまなデリバティブ投資に関わるだけです。これを行うことすら必須ではないのです。
それで、まずあなたに必要なのは、今回の場合 ETF の主催者という借り手の信用度を受け入れる意思なのです。今は主催者の破綻リスクは小さいのですが、私には、リーマン、ベアスターンズ、そして MF グローバルを思い出されます。主権国家でさえ破綻間際であれば、それらの国の証券の保有者はヘアカット (元本の削減) を引き受けているのです。
次に、主催者の実際の破綻リスクは小さいとしましょう。主催者の信用格付けが下がったら何が起きるのでしょう? (ETN 以外の) 他の契約がそうであるように、間接的に ETN 株式の価値が落ち込むことがあるのでしょうか?
信用リスクに加えて、私が「転移リスク」と呼んでいるものがあります。投資家がミューチュアルファンド、株式または ETF を購入する場合、特定の投資と原資産である株式に直接作用するための資金を直接投入します。この購入は実際に株価の上昇を支え、すべての株主に恩恵をもたらします。
理論では、もし、みんなが S&P などのインデックスを構成する銘柄の個別株式をすべて売り、同時にその S&P インデックス の ETF に再投資すれば、何も起こりません。ETF は同数の株式を買うことが必要になるでしょう。最後には ETF は投資家の代理として株式を保有します。
これが ETN では通用しません。ETN は資金を投資家が選択した投資に投入しないのです (たまたま投資する場合があっても、ETN 自身の口座のためにすることで、あなたのためにではありません)。結果として、資金は「転移」され、株価を上昇させません。ミューチュアルファンドや ETF と違って、投資家がインデックスに含まれる株式を売ると同時に ETN を購入しても、資金はインデックスの構成株式から引き上げられ、ETN の主催者の「銀行口座」に落ち着くのです。ありがちな結果は、インデックスが少なくとも下落し、暴落もありえます。
ここで、完全に公平にするために、ETN の主催者はおそらくヘッジします。彼らのすることは公開されないため確かなことはわかりませんが、なんらかの形でヘッジを行っていると想定するのが妥当です。この「想定」ヘッジの構造によっては、該当するインデックスに含まれる株式に実際の資金の一部を強制流入させることができます。回りくどいですが、これが原資産である株式を購入する ETN にとって実際の「カウンターパーティ」です。
原資産である株式に実際に資金が流れているか、流れているならその程度については、推測になります。いすれにせよ、1対1がベースにならないことは確かでしょう。結局、ETF に流入した資金がそうであるように、ヘッジで最もありがちなのは「トレンドフォロー」であり、トレンドを作ることではありません。そのため「カウンターヘッジ」が存在しても、株価上昇に対する要求にはあまり役立ちません。
次のリスクは私が「(対立する) 相手方リスク」と呼ぶものです。ミューチュアルファンド、ETF、ウェルスアカウント、ヘッジファンドなどの資産運用者は、彼らの資産ベースでのみ儲けることができます。資産を増やす最善の方法は、確実なリターンをもたらすことです。それで、主催者の利益が投資家の利益とつながります。「投資家が儲け、主催者も儲かる」ケースです。
ETN では必ずしもこうなりません。ETN の主催者は資金のごく一部を取って上昇リスクをヘッジすることができるでしょうが、残りの資金は「何にでも」使うためにとっておきます。彼らは、インデックスの構成株式の1銘柄あるいは複数銘柄をショートさえするかもしれません。私たちは、主催者が彼らが販売した商品に背くポジションをファンドで実際に取った最近のケースを思い出します。これがウォールストリートが取りうるやり方なのです。
これらのケースでは、ETN が連動するインデックスが株価で下落した場合、主催者はその下落から利益を得、彼らの「銀行口座」の最初の預金よりも投資家への実際のリターンが少ないのです。インデックスはアクティブ運用されていないため、インデックスが下落してもそれを巡る責任はありません。そのため、投資家と主催者は実際には (対立する) 相手方として見なされるかもしれないのです。「投資家は損し、主催者は儲かる」ケースです。
主催者たちが新しい ETN を次々と開始することを理解するのはとても簡単です。主催者たちは珍奇なデリバティブや独自のトレードを非常に巧みに操ってきたのです。ETN は良い金づるなのです。いつか、彼らは、ETN の下落スパイラルから利益を得るただそのために、インデックスが下落する株式を操ることさえするでしょう。このリスクは (ETN の) 証券の償還日が近づくにつれて可能性が大きくなるでしょう。
ETN の主催者が彼らの商品を ETF の代わりに ETN として構成するのは理由があります。彼らが資金が欲しくても、その用途をあなたに決めて欲しくないのです。私の資金をより多く引きとめるためのポジションを取ることができるため、私は利益が相反していると思います。
ETF と ETN を比較する議論は、税金の効果を議論することなしでは終わりません。このことは、MLP の ETF と ETN を見ると最もはっきりします。
AMJ などの MLP ETN の分配は、配当支払いとして通常の所得率で課税されます。一方、AMLP などの同等の ETF からの分配はキャピタルリターンとして適格配当として扱われます (一部の分配は現在のところ課税されません) 。同様に、MLP のトータルリターンのかなりの部分が分配から由来することがありますが、ETN と比較して ETF の税優遇は無視できないものになることがあります。これは「バイ・アンド・ホールド」投資家にとっては大きなものです。
MLP 市場が横ばいのときには、リターンのほとんどは分配で判断され、分配税制の結果、ETF が ETN をアウトパフォームするはずです。市場が下落した場合も、いくつかの理由で ETF のほうがパフォーマンスがいいはずです。上昇相場では、リターンは株価が上がった結果になり、分配 (由来のリターンは) はそれほど多くなく、株価の上昇で勝る ETN がキャピタルゲイン率で有利です。
結論をいうと、個別でも全体でも、これらの理由は私が ETF を完全に忌避するのに十分です。私は常に、リスクは忘れたころにやって来ると自分自身に釘をさすのが好きです。ETF、株式、オプションなどで私は十分です。自分から進んで不要で余分なリスクを取る必要はありません。
私がさらに懸念しているのは、多くの「マーケッター」が、ETN と ETF という頭字語を「包括的な」 ETP (Exchange Traded Product) に置き換え始めていることです。これは、市場に投入されている特定の商品をわかりにくくします。結果として、多くの投資家はそれらすべてが似たものと推測し、実際に取得する ETP の種類を適切にリサーチする時間を取らなくなるでしょう。
投資業界は「買い手の危険負担 (訳注: 投資家の自己責任と同義)」ですませてハッピーのようです。私はそれほどでもありませんが。