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週刊東洋経済2008年9月6日号

この特集はおもしろかった。orz は読み終わった雑誌を取っておくことはまず無いのですが、
この号はしばらく本棚に置いておこうと思います。まず

>過去50年間で、アメリカの株式市場の代表的指数であるS&P500の上昇幅の半分を
>稼いだのは、どのくらいの期間だったろうか?答えは、わずか10日、だ。極端な高騰を
>見せた上位10日間の値動きが、50年間の上昇幅の半分を占めていたのだ。
(38ページ)

という話に続いて正規分布の問題点が語られ、べき乗分布の紹介。41ページで

べき分布

>ベキ分布の世界
>平均値は不定(指数0〜1の場合)、標準偏差は無限大(指数が2以下の場合)


と説明されているのですが、この指数については説明がありません。不満です。

続いて読み進んでいくと、43ページになんでべき乗分布になるのかという、orz がこれまで
ずっと知りたかった説明がありました!

>一般に増加率の期待値がちょうど1になるような倍率で揺らぐときには、どんな倍率
>であっても必ずベキ分布が現れるのだ。


この文に前に例が書かれていて、要は「勝つと前の勝ちの結果と掛け算になる」現象は
べき乗分布になるようです。

>市場を観測すると、およそ95%の時間は正規分布で近似できるようなおとなしい変動と
>なる一方、残る5%の時間にはベキ分布に従う大変動が出現することが確認されている。

(45ページ)

95%といえば、2σに近いです。昔の記事不運のコンボにはめられる

>標準偏差2σあたりに正規分布からべき乗分布に切り替わるスイッチがある
>と書いてあるブログがあったのですが


と書いたのですが、どうやらこのことのようです。

その他、読んでいて激しく同意した文章を引用します。前後の文脈については雑誌を読んで
確認してください。

>仕事について考えるなら、その仕事で成功した人の例ではなく、その仕事を選んだ人の
>平均で考える視点が大切だ。
(47ページ)

>近年の経済物理学の研究によって、金融危機の発生は地震とよく似ていることがわかって
>きている。
(54ページ)
>まず何らかの原因で、金融市場や社会を構成する人々にたまったひずみが、あるレベルを
>超えると、そこで破綻が起きる。
>ひずみを生み出す原因とは何だろうか。候補として考えられるのは金利だ。
>金利によるひずみは経済社会の至る所で発生し、弱いところに集中する性質があるのだ。

(55ページ)

>複雑系科学からの経済学へのアプローチとして「遺伝的アルゴリズム」という手法がある。
(62ページ)
>この遺伝的アルゴリズムが示唆することは(中略)初期の世代で、たまたま偶然に圧倒的に
>優れた個体が生まれた場合、局所解に収束し、最適解にたどり着かないことがある。

(63ページ)

>リスクを負う者とリターンを得る者が違うと、前述のようなモラルハザードが起きやすい。
(65ページ)

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