2018/04

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ソース:
Buy, Sell or Hold Tight? (IndexUniverse)
Avoiding Hidden Index Risks (IndexUniverse)

ひさしぶりに、読んでいてショックを受けた記事です。

リスク許容度の決定といえば、梅ランの「最悪の事態がおこったときの損失額を計算する方法とは!?」にあるように、

市場の最悪の事態を想定するということは、 
投資金額×{期待リターン−(2×標準偏差)} 
の損失額を覚悟するということになります。

が、基本的な手法でした。けれどもソース記事によると、リスク許容度の決定には標準偏差ではなく

期待ショートフォール

を使えということです。

期待ショートフォール (Wikipedia)

数理ファイナンスにおいて、期待ショートフォール(きたい〜、英:Expected shortfall, ES) は、確率変数 X に
関してある閾値 μ を超える部分の期待値。確率変数 X を損失額とし閾値 μ を信頼水準 1-α %における VaR と
すれば、損失がVaRを超える場合の平均損失となる。

ものすごくわかりにくい説明ですが、

正規分布

正規分布のグラフで、2 σや 3 σで区切った縦線の「外側部分=テールリスク」の平均値を指します。

リスクの許容度を標準偏差で計算すると、グラフの縦線部分でリスクを算出してしまい、その外側は無視されます。
当然、期待ショートフォールを使ったほうが、より保守的にリスク許容度を計算することができるわけです。

期待ショートフォールがいつごろ考え出されたかわかりませんが、少なくとも97年ごろに知られていました。

それから 10 年以上もたっているのに、なぜ期待ショートフォールが取り上げられてこなかったのでしょうか?
(少なくとも、orz の巡回先のブログで見かけた記憶はありません)

ググったところ、期待ショートフォールの精度を上げるには、テールリスク部分のデータを十分に収集する必要があることが
問題になっていたようです。もともと発生頻度が少ないから「テール」なのに、そのテール部分のデータが大量になければ
計算できないというのは、困ったちゃんだったのでしょう。

ソース記事に引用されていた期待ショートフォールによる損失額

S&P 500 に 1 万ユーロ投資した場合、四半期内で最悪 1% の事態に陥ると平均 2626 ユーロの損失が想定されます。
TRJ/CRB はコモディティのインデックスです。

条件S&P 500Euro Stoxx 50TRJ/CRB
1 日に起きるワースト 5%131297273
1 日に起きるワースト 1%754507334
1 か月に起きるワースト 5%101414481136
1 か月に起きるワースト 1%140121204894
1 四半期に起きるワースト 5%176024264859
1 四半期に起きるワースト 1%262635364883


最後に、期待ショートフォールは正規分布を前提とした(べき乗分布派から批判される側の)アイディアです。
黒い白鳥さんが舞い降りたとき、どの程度役立つかはわかりません。

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